商品企画と商品企画七つ道具(P7)

    商品企画七つ道具(P7)とは?


2.商品企画七つ道具(P7)の詳細

 各手法の内容と実施上のポイントを示します。なお、この文章は神田編著「顧客価値
創造ハンドブック」(日科技連出版)
2.5節(神田執筆)から引用・加筆しています。
詳細は
「商品企画七つ道具実践シリーズ第2巻・よくわかる編」(日科技連出版)
または
「神田教授の商品企画ゼミナール−Neo P7 ヒット商品を生むシステム−」
(日科技連出版)をご覧下さい。


  図1はP7システムの手法の流れと各手法でのINPUT/OUTPUTを示しています。
   
  
                 
                 
図1.P7システムの全体像


(1) インタビュー調査

 定性的・感性的調査の代表で、顧客に深い意見を出してもらって、潜在ニーズの
仮説を探り出す
手法です。
 この手法はグループインタビューと評価グリッド法の2種類から成ります。この2
手法は対照的であり、必要に応じて使い分けることが望ましいです。一般的には、感
覚的・直観的に選択されることの多い日常的な消費財やサービスにはグループインタ
ビューが、論理的に性能・機能。価格などを相対比較されることの多い耐久消費財や
生産財(中間財、産業財)には評価グリッド法が適しますが、その境界はあいまいで
あり、両法の併用も全く差し支えありません。

@グループインタビュー

 数名(5〜6名程度)のターゲット層の顧客に集まってもらい、グループ内コミュ
ニケーションの相乗効果から新たな(潜在ニーズの)仮説発見を期待する手法です。
仮説の検証も直観的には可能である。できれば企画担当者自身が生々しい意見を直接
聞くと大いに参考になります。

<ポイント>
・司会者の選定・・・司会者はテーマを良く理解し、聞き上手、引き出し上手に徹し
て皆を盛り上げる役割ができる人がよいです。
語ったり、意見を押しつける司会者はNG.。

・参加者の選定・・・ターゲット対象層から依頼しますが、層が広い場合は年齢層や
男女などで区分しないと話が合わないので本音の議論になりません。協力的で、「な
るほど」と気付かせてくれるような意見を積極的に言ってもらえる方が多いほど成功
します。1つの層でも複数回の実施が望ましいです。

・事前の準備・・・・事前にシナリオ(質問事項)を準備する。自己紹介、使用や購
入の状況、不満事項、要望事項と進行します。なるべく理由を尋ねるとよいでしょう。
多数の質問項目は負担を強いるだけで成功しません。また、シナリオに拘泥する必要
もなく、「面白い!」と思われる意見が出たら突っ込んで、議論を盛り上げましょう。

・互いのコミュニケーション・・・・グループディスカッション的に進行するのが望
ましいです。各個人に対する「1問1答」式は失敗します。

・モノを最初は見せない・・・実物、試作品、カタログ等は強く影響するので最初は
見せないことです。後半からにしましょう。

・評価項目を抽出・・・次のアンケート調査に使う評価項目」を出すには、なぜそ
の商品を購入したか(したいか)を聞いておくとよい参考になります。
または、グル
ープインタビューの中で次の評価グリッド法を混ぜて実施します。


   
(写真左:専用のグループインタビュースタジオ内でのインタビュー風景。
   右:インタビューの観察。ハーフミラー付きのモニター室で観察できる)


A評価グリッド法

 質問者と回答者が1対1で向き合って商品サンプルを2つずつ取り上げて優劣の
評価してもらい、評価基準を問います(なぜそれがいいのか)。更に、その評価基準
の理由(上位概念)と具体化した条件(下位概念)を問います(ラダリングという)。
これらを通じて顧客の評価構造が明快に表現でき、仮説発見も可能です。次の図2は
パソコンに関する例です。方法はマニュアル化でき、司会の巧拙の影響や時間・場所
の制約がないためほとんど誰でも実施できます。


        
 
      図2.評価グリッド法まとめの例(パソコンの例)

<ポイント>
・対象者の選定・・・・語彙の乏しい、表現力のない方は答に窮してしまうことがあ
ります。シャープな表現センスを持った方が最適です。人数は
10名前後。大人数で実
施しても、まとめる際に苦労する割には新鮮な発見に結びつきません。

・比較対象物の選定・・・・評価するサンプルは実物がよいですが、カタログを使う
場合もありますし、アイデアや仮想商品を説明して比べることもあります。微妙にし
か違わない物を提示するのは回答が困難で、失敗します。対象物は組合せが多いと疲
労するので、5〜6種ぐらいが適当です。


・上位概念・・・・「何のために」「何を目標に」そのようなものを求めるのか?を
聞きます。回答は「〜したい」の形にまとめるとよいでしょう。


(2)アンケート調査

 アンケート調査はインタビュー調査で得た定性的な仮説や感触を定量的に測る重要な
手法です。顧客調査の最もポピュラーな手法ですが、雑な調査と解析が余りにも多いの
も事実です。逆に、過大な時間と予算を浪費する調査も多いのです。インタビュー調査
と組み合わせ、事前に深堀りして十分に仮説を用意してから実施するとその効果を遺憾
なく発揮します。ニーズの発見よりも、仮説検証と定量的評価が第一の目的であり過大
な期待と準備不足は禁物です。また、統計の知識(特に多変量解析)があると、後の
分析を意図したアンケート票の作成ができ、良い情報を入手できます。


<ポイント>
・調査方法・・・インターネットアンケートから伝統的な質問紙法まで多様です。費用
と時間を要するので慎重に決定する。インターネットは大量に速くというメリットがあ
りますが、信頼度(熱心にきちんと回答するかどうか)は質問紙に比して多少薄いこと
がありますので、信頼できる調査会社を選びましょう。50代くらいまではネット調査が
可能な状況になってきましたが、高齢者ではPCが普通のツールではないことも注意せ
ねばならないです。

・調査票の作成・・・誤解なく正確な回答を書けるようにするように質問します。内容
面では顧客の顔がわかるような属性(フェイス項目)、仮説の評価、関連商品や仮想商
品などの定量評価を入れることが重要です。定量評価は次のポジショニング分析につな
げるためにも、商品の状況を把握するにも必須です。評価対象商品は他社品も含めて、
今回の企画上競合しそうな既存商品数種類ですが、仮想商品を混在させたり、すべて仮
想商品とすることもあります。

・定量評価・・・段階評価で実施する場合は必ず奇数段階(5または7段階、お奨めは
5段階)とし、中央は「普通」ではなく「どちらでもない」「どちらともいえない」と
します。
また、「買いたい」「使いたい」「総合的に見て良い」などの総合評価を必ず
入れます。


・解析手法・・・・平均値を折れ線グラフ化する簡単な「スネークプロット」(図3)、
クロス集計、CSポートフォリオ(各仮説、商品の要改善ポイントを図示する方法)、
数量化V類(多数の項目間の関係を図示する方法)などを推奨します。次の「ポジショニン
グ分析」は是非研究して実行して下さい


・ソフト・・・・・スネークプロット、CSポートフォリオも含めて、「P7かんたん
プランナー
」が最も効率良く分析が可能です。本HPでもダウンロードできますので、
ご利用下さい。




           図3. スネークプロット(評価の平均点のグラフ)

(3) ポジショニング分析

 アンケート調査で商品評価を行い、集約された総合的な軸を描き、各商品ごとの中心
位置を図示したマップを作ります。このマップ上で商品の位置の分布状況、特に当社商
品や仮想商品の位置を検討し、顧客の意識の「すきま」を客観的に発見します。また、
顧客が購買意欲を高めるような最適な方向(理想ベクトル)をマップ上に図示します
(図4)。この方向上にすきまや仮想商品があれば、まさに有望そのものです。外れて
いても、その改善方向がわかります。システマティックに顧客の意向から最適な企画の
方向を見出すこの手法は非常に優れており
、導入を強く推奨します。


<ポイント>
・通常、評価項目を集約した軸を作るには因子分析が適します。因子得点の平均値を各
商品の代表位置として図示します。


・因子数・・相関係数行列から抽出する場合、固有値1.0以上を基準に2〜4因子程度
を用います。

・理想ベクトル・・・因子得点と総合評価の間の重回帰分析を行い、回帰係数を各軸方
向の成分とする方向ベクトルとして求めます。
商品が理想ベクトル方向に接近するほど
購入意向、利用意向が高まります。ただし、原点付近は考慮しません(すべてが平均値
なので)。

 理想ベクトルの反対方向は総合評価の悪い商品であり、断念、撤退等の対象となりま
す。理想ベクトルと直交する方向は問題を抱えており、改善が必要ですがあきらめるこ
とはありません。

・因子のウェイト・・・理想ベクトルの傾きから(理想方向の)因子のウェイトを算出
します。図4では第1因子・ユニークさと第2因子・利便性のウェイトはほぼ2:1と
なります。このウェイトに感じる(ユニークさを利便性の2倍強く感じる)商品が最適
(最も売れる!)になります。3因子ある場合は例えば、
     第1因子:第2因子=2:1、 第1因子:第3因子=2:3
とわかったら、
     第1因子:第2因子:第3因子=2:1:3
となります。

        
・層別の分析・・・顧客層がいくつかに分かれている場合、層ごとに各商品の位置と理
想ベクトルを求めとよいでしょう(図5)。ただし、1つの層で数十名の回答者が必要
です。総合評価が何通りかある場合も同様に理想ベクトルを別々に求めて比較するとよい
でしょう。


・ソフト・・・・・層別の分析も含めて、「P7かんたんプランナー」が最も効率良く
分析が可能です。本HPでもダウンロードできますので、ご利用下さい。一般ソフト
ですと、多変量解析の「因子分析」と「重回帰分析」の2つがあれば、組合せて実行
できます。

          

      図4.ポジショニングマップの一般的な例 


    

    図5.層別したポジショニングマップの例
       A〜Gの7商品の位置を4つの顧客グループに分け、
         理想ベクトルも層別した例


(4)アイデア発想法

 アイデア発想はポジショニング分析の方向性を念頭に置いて、それに見合う具体案を
出すのがシステマティックなやり方です。ただ「単に良いアイデアを出す」にも使えま
すが効率的・システマティックとは言えません。

 また、アイデア創出は「才能ある者が行う」「特別な」方法ではありません。まして
多忙な人達が時間を気にしながら行う(なかなかうまくいかない)ブレーンストーミン
が最良の方法でもなく、
馬鹿げたアイデアでも多数出すようにしましょう。沢山の中
に必ず優秀なものがあるものです。

 複数のメンバーがいるなら、各メンバーが時間の余裕を見ながら、リラックスして集
中できる時に別々に発想法でアイデアを出し、ネットワークを使ってメンバー全員に配
布し「使えそう」「面白そう」「売れそう」程度のラフな基準で点数をつけて絞り込み
ます。それを収集してランキングします。上位のアイデアを組み合わせたり再検討する
ことのみを集中的に会議で行えばよく、1時間くらいで強力なアイデアリストを構築で
きます。
 
 したがって、この目的のためにはアイデア発想法はなるべくユニークなアイデアを
「多数」出せる手法を用います。4種類の特長の異なる発想法を提唱しています。

  @焦点発想法は初心者でも短時間に大量にアイデアを生産できる連想型の発想法。
  Aアナロジー発想法は常識を逆転させる発想とアナロジー連想を組み合わせて行い、
  画期的なアイデアを一気に創出。常識という固定観念を覆したい人に向いています。
  Bチェックリスト発想法はアイデアを方向付けするためのキーワードを多数収めた
  インスタント発想ツールで、簡単に使えます。
  Cシーズ発想法は技術シーズや強み技術の応用商品を考案する発想法です。


以上の中では@とAを万能型のものとして特に推奨します。
いずれも表形式で、欄を埋
めるやり方です。初心者の方は是非@からトライして下さい。

@焦点発想法
 表1のように、自分の好きな対象(旅行、スポーツ、食べ物、車、ペット等)に焦点
を当て、そこから出てくる特性、要素などのキーワードのイメージからアイデアを連想
させる方法です(表1)。予め左端のキーワードを記入した表を用意しておけば、1時
間で
2040のアイデアを集中的に出せます。

<ポイント>
・特性、要素・・・趣味など自分の最も好きなものに焦点を当てて連想させるといやが
上にも創造力がかき立てられ、ハイスピードになります。イメージが豊富で具体的とい
う効果もあります。またなるべく多角的なものを並べといいでしょう。同様の出発点か
らは同様のアイデアしか出ません。

      表1.焦点発想法の例(大学の要素からビールのアイデアを出す)

   

       (事務室⇒締め切りにうるさい⇒限定ビール)
      
 
        (噴水⇒ロマンティック⇒格調高いビール)

     

Aアナロジー発想法
 常識では何も出ない時に逆転の発想を意図的に行う方法です。表2のように、現在の
商品の常識を列挙し、その否定から新たなバイパスを探すやり方です。根底から覆すよ
うな画期的商品のアイデア作りに好適です。


<ポイント>
・常識・・・「当たり前」のことが「常識」で、それを出すのですから、現状商品を冷
静に客観的に見つめる必要があります。他部署の人に聞いてみるのもよいでしょう。グ
ループインタビュー等で得た不満事項も解決を目指してここで使えます。

・問題点・・・逆設定で良い方向に転換しても実現し難い場合は、実現の方法を問題点
とします。

      表2.アナロジー発想法の例(入浴剤のアイデア)

               


              
     

       図6.アナロジー発想法の例(学生による美術館のアイデア)

(5)アイデア選択法

 アイデアを客観的に評価して有効な少数に絞る手法です。2種類あり、
  @重み付け評価法は評価項目にウェイトを乗じて合計する点数評価法
  A一対比較評
価法はAHPAnalytic Hierarchy Process, 階層的意思決定法)と
   も言われる方法で、複数の評価項目、評価ア(イデアを2つずつ取り上げて相対
   評価し、それらを統合して全体評価を客観的に算出する手法です。


一般的には使いやすい@を推奨します。評価項目のウェイトがわからないような場合は
Aを適用します。

@ 重み付け評価法
 複数のアイデア評価項目に予め設定したウェイトをかけ、合計点の高いアイデアを採
用します。ユニークさ、面白さ、実用性、使いやすさ、デザインの良さなどで個別項目
で評価して合成します。それ以外の項目はアンケート調査などで得た購入重視基準や社
内の方針などを検討して決めます(従来にないユニークさを重視、など)。

<ポイント>
・評価者・・・画期的アイデアが含まれ、その情報が流出する場合もあるので、不特定
多数での評価は避け、信頼できる顧客(または社内の顧客に近い人)に依頼するのが望
ましいです。企画者自身が勝手に行ってはいけません。

・評価項目とウェイト・・・ポジショニング分析で得た理想ベクトルの因子とそのウェ
イトを活用するのが原則
です。それが顧客のニーズを最高に表現しているからです。
間違っても、「作りやすい」「コストが低そう」「早く実現できそう」などの評価項目
を使ってはいけません。まして、それらのウェイトを社内事情で適当に与えるなどした
ら、最悪の結果を招きます。


  表3.アイデア選択法(重み付け評価法)の例(学生による美術館のアイデア評価)

    

A 一対比較評価法
 評価項目のウェイトの決定を2項目ずつの重要度比較の反復で行い、各項目でのアイ
デアの評価も同様に2つずつの一対比較で行います。割合客観的にできることから、活
用の広まっている手法です。詳細は略します。

<ポイント>
・評価項目、アイデアの数・・・これが多いと一対比較の回数が著しく増加する欠点が
あり、負担が重くなるので注意が必要。顧客や社内のマネージャーに依頼する場合は事
前にスタッフレベルで主要アイデアに絞り込んでおきます。

・ソフト・・・一対比較マトリックスの「固有値、固有ベクトル」の計算が可能なパソ
コンソフトが必要。近似的には行の幾何平均を用います。


(6)コンジョイント分析

 コンセプトの細目を固め、最良なものに仕上げる大変強力な手法です。アイデアや機
能、品質、価格も含めた総合的な商品力の最大化の条件が「顧客の意見」(担当者の意
見ではない!)から抽出されるため、きちんと適用されれば売れる商品が生まれること
がほぼ保証されます(!)
。コンセプトの重要な要素(例えば価格、材質、色、デザイ
ン、付加機能、サービスなど)を取り上げ、これらの組み合わせパターンをシステマ
ティックに作成し、顧客に提示して順位付けをしてもらいます。そのデータを解析して
購入意向が最高になるような組合わせを求めれば、それが新商品の「最適コンセプト」
となります。各要素の影響度を予測できるため、最適案が実現できない場合の次善策の
検討にも大変便利で説得力があります。また、価格を変化させたときに購入意向がどの
ように変化するかも予測でき、もし「価格の影響が少ない」と判明したら、高価格で
強気の価格設定も可能になります。

<ポイント>
・属性と水準・・・動かして顧客に評価してほしい属性(大きな項目)とその水準(細
かな内容)を決めて、表5のような「直交表」に割り付けます。選択された主要アイデア
の動かせる要素を振って水準を作り、また、インタビュー調査やアンケート調査で決定
した属性でも、最終的に顧客の意見で最適な水準を決めておきたいものがあれば入れます

表4は実際に東都生協・「野菜たっぷりプチ肉まん」の商品企画で使用した属性と水準の
一覧表です。

   表4.コンジョイント分析の属性・水準の例(東都生協・肉まんの例)
 
   

       

・直交表・・・属性、水準が多いと顧客は正確に判断できなくなります。直交表L16
〜L18で割り付けられる程度が限界です。ごく一般的な顧客に依頼する場合はL
使用を前提とすると(回答が楽なため)高い精度が期待できます。L16〜L18の場合
は(時間がかかるため)やや熱心な顧客が必要です。
表5はL直交表で、1と2が
水準の番号を表します。これに表4の属性と水準を第1列から順番にあてはめると、
表6のような8通りの(行方向の)組み合わせができます。図7はこの中の1番と
6番の組合せをイラスト化した例で、実際に顧客へのアンケートには8通りすべて
のイラストを用いています。
 
                表5. L直交表

              


            表6. L直交表に表4の属性・水準を割り付けたもの

           


        
 
               図7.サンプル1と6をイラスト化したもの

・水準数・・・1属性2水準が標準ですが、3水準(以上)も可能です。解析手法とし
て「数量化T類」を用いることで、(大幅でなければ)直交表から外れても使用可能で
す。


・層別解析・・・ターゲット層に近い顧客でもかなり意見が分かれることがあるので、
いくつか層別して分析するとよい。層別するならそれなりのサンプル数が必要。ただ、
この段階で不特定多数に依頼するのは危険ゆえ、量より質を追求。きちんと考えて回答
してくれるパネルを1層につき数十名確保します。

・効用値・・・各水準の効用値はその水準を採用した場合の、購入意向の平均に対する
増減の影響度を示します(図7)。当然プラスで値の大きなものが重要。効用値は加法
性があるので、属性と水準を組み合わせるとどうなるかは自分で効用値を加算すれば
予測できます。

 
 
 図8.コンジョイント分析の効用値(東都生協の肉まんの例、年代別)

・価格・・・価格を入れることにより価格変化と購入意向の関係が推測できます。ただ
し、特に耐久消費財などで広い価格幅を与えると極端な影響を及ぼし、他の属性の評価
が正確に行えません。せいぜい
1.2〜1.5倍以内程度に止めるべきです。価格を入れた
場合、水準の組合せによってはその価格では実現困難なケースが生まれますが、各属性
を独立に評価するために、そのまま使用します。

・ソフト・・・・・層別の分析も含めて、「P7かんたんプランナー」が最も効率良く
分析が可能です。本HPでもダウンロードできますので、ご利用下さい。


(7)品質表

  コンジョイント分析などで決まったコンセプトを技術に系統的に結合する手法です。
 コンジョイント分析で得た最適コンセプトを基本にして、調査で得た情報を含めて、
顧客側として実現してほしい項目(期待項目)を系統的に整理します。次にそれと関連
をもつ技術特性を列挙します。「期待項目」と「技術特性」をマトリックス状に関連付
け、コンセプトを技術の言葉に変換します(表7)。これによってコンセプトは確実に
技術的に実現する道を開き、重要特性や開発のネックもこの表の中から明らかにできま
す。QC(品質管理)では
一般的な手法ですが、従来の方法論では理想方向の絞り込み
や画期的アイデアの展開がないままに「あれも、これも」一応要求として入れる傾向が
あり、その結果特長の乏しい過大な品質表となり、要求間のウェイトもあいまいになり
がちでした。P7の最後に使用することにより、ポイントを明確に
し、重要度もポジショニング分析やコンジョイント分析で明らかになりますので、非常
に活用しやすい形になります。

<ポイント>
・期待項目・・・コンジョイント分析での最適コンセプト以外に、それ以前のステップ
で決定した固定的な要素(絶対に実現すべき性能、機能、デザインなど)、当然実現す
べき事項(競争上環境対応上、社会通念上必要なものも含め)を入れます。

・ウェイト・・・期待項目にウェイトを入れる場合、顧客調査から得たコンジョイント
分析の結果とポジショニング分析の結果を勘案します。



   表7.品質表の例(入浴剤の事例)



























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